今月のコミックス
アニメ原作以外のAKI の想い出のコミックスを紹介しています。
フォスティーヌ
著者 原ちえこ
KCなかよし 全4巻
昭和53〜54年

 なんだか「キャンディ・キャンディ」に似た絵ですが、当時「なかよし」には似た絵を描く作家が多くいました。その中でAKI が好きだった作家が原ちえこです。昭和47年デビューですから当時でもベテラン作家でした。

 第1巻が53年発行ですから、まさに「キャンディ・キャンディ」がクライマックスになる頃に同じ「なかよし」で連載開始になりました。

 ジプシーに育てられたおてんば少女フォリーが持つペンダントには、出生の秘密が隠されています。実はフォリーはウィーン大公の娘フォスティーヌであり、幼い頃に誘拐されたのでした。
 没落した青年貴族フレデリック・ブランシェ伯爵はフォリーのペンダントに気がつきます。フレデリックの母はフォリーのピアノの才能を見抜き、フォリーを引き取ります。
 フリデリックはフォスティーヌ暗殺の疑いをかけられ死んだ父親の汚名をはらし、ブランシェ家を再興するために、フォリーを利用しようとしますが、いつしかフォリーを愛するようになります。

 秘密のペンダント、陰謀、出生の秘密、青年貴族との恋・・・など少女漫画の基本となるようなドラマティックな要素を盛り込んであり、特にフォリーがピアノ演奏で大公の母にフォスティーヌと認められるくだりは感涙ものでした。

 AKI は「これこそアニメ化するに違いない」と期待していました。連載がもっと長く続くと思っていたのに、結局4巻で終わってしまいました。それでも今でも好きな漫画です。うーん、今でもアニメ化すれば面白いと思うのですが。
 この作品は数年前に復刊されましたが現在は絶版のようです。

 第4巻には短編「しゃぼん玉とんだ」が併録されています。日本の学園ものですが、この作家の描く日本ものも好きです。

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