今月のコミックス
アニメ原作以外のAKI の想い出のコミックスを紹介しています



男の条件
原作 梶原一騎/漫画 川崎のぼる
ジャンプコミックス 全2巻
昭和45年
 AKIの両親が勤めていた会社には図書室がありました。狭い部屋にぎっしりと本が詰まった図書室でした。家族も貸し出しOKで、小学生だったAKIはせっせと図書室に通ってコミックを借りていました。
 当時借りたコミックは「わたなべまさこ/はだしのプリンセス」、「貝塚ひろし/くりくり投手」「白土三平/カムイ伝」、「石森章太郎/幻魔大戦」などで、その中の1作品がこの「男の条件」でした。当時「巨人の星」「いなかっぺ大将」で好きな作家だったので選んだと思います。
 この時に読んで面白かったものをあとで買っているパターンが多いようです。「男の条件」も大人になってから古本屋で見つけて懐かしくなり買いました。今では珍しいコミックのようです。

 内容は漫画家をめざす青年の物語で、原作が梶原一騎なので「巨人の星」のような血と汗と涙で漫画家修行をするといったお話です。漫画の精神論を説く無冠の帝王、男谷先生は「男の条件は田の力だ」と言い切ってしまうし、それに心酔して弟子になる主人公、旗一太郎もすごいです。
 他の梶原一騎の原作作品の例に漏れず、やくざや暴力団が登場するし、「これって本当に漫画家のお話なの?」と疑ってしまいます。現に当時読んだAKIが印象に残っていたのは主人公が日雇いの仕事をするのに仕事にありつこうと男たちが我先にトラックに乗り込むシーンや紙芝居を子供たちに見せるシーンです。

 今、読み返すと熱血シーンがかえって笑いを誘ってしまいます。他の根性もの作品が現代にそぐわないためかこの作品も復刻はなく、仮に復刻したとしても共感を得られるか疑問です。
 それとも小さいころストレートに読んでいた気持ちから、大人になってひねくれた読み方しかできなくなったのでしょうか?そうだったら寂しい限りです。
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