今月のコミックス

アニメ原作以外のAKI の想い出のコミックスを紹介しています。

サテライトの虹
原作 秋吉 薫/漫画 加藤唯史
ジャンプスーパーコミックス 全3巻
昭和53年

 AKI は小学、中学生にかけて2回の入院生活を経験しています。2回目はけっこう長期で(といっても1ヶ月くらい)暇をもてあまして、待合室にある漫画雑誌を片っ端から読みあさりました。そのときに少年ジャンプに連載されていたのが、この「サテライトの虹」です。
 ヒロインのキャラクターがかわいくて、病室でノートに模写もしていました。AKI が読んだのは入院中だけで、続きが気になっていたところ、数年後に単行本で発売されました。

 物語は当時の歌謡界事情を興味深く描いています。ヒロインのリサは自作の「虹のかたち」という歌をギターで歌い、デビューします。これも好きだった「さすらいの太陽」と同じです。実名の歌手が登場する芸能会ものは当時としては珍しかったし、少年漫画でこのような正統派のヒロインも珍しかったのではないでしょうか。

 レコード会社のディレクターの立花は自分の納得のいくレコード作りこだわり、大手のレコード会社を辞職します。本当の歌手を探す立花が見つけたのが、南高節のコンサートに客席から飛び入りで歌った虹山リサという少女でした。当時、台頭してきたフォークシンガーが好きだったAKIはこの出だしで心をつかまれてしまいました。
 AKI はギターを始めた頃で、リサがライバルと勝負するシーンで、バックの錠之助がギターの絃を切ってしまいながら、ハイポジションを使って5本で6本分の音を出すというテクニックに感動してしまいました。貧乏だった錠之助がギターの絃も買えずに練習していたことが役に立ったというエピソードですが、今では考えられないことです。

 漫画を描いた加藤唯史は現在では「ザ・シェフ」が有名な漫画家です。「ザ・シェフ」は知っていましたが、「サテライトの虹」の作者だとはずっと認識できず、知ってから「ああ、絵が似ているなぁ」と気づきました。

 現在、絶版で復刻もされていませんが、古本屋ではよく見かける本です。興味のある方は読んでみてください。
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