魔法使いサリー

著者 横山光輝





翠楊社グランドコミックス 全1巻

 過去2回アニメ化された有名な漫画ですが、原作を読む機会は中々ないと思います。こんなにタイトルが知れ渡っている漫画なのに単行本化は過去2回しかありません。どちらも現在は絶版で入手困難です。

 作者の横山光輝は自らの少女系作品の復刻には消極的(むしろ拒否的)で、自ら言うところの「過去の稚拙な作品」を封印したい傾向にあるようです。現在の復刻ブームの中でも「魔法使いサリー」「おてんば天使」「コメットさん」など有名な少女系作品は復刻されていません。
 「あばれ天童」や「ナンバーV-7」などの少年物は文庫で復刻が盛んなのですけどねぇ・・・。


 さて、「魔法使いサリー」初の単行本は虫コミックスで出版されました。虫コミックスは少部数だったので現在は大変なプレミアがついています。
 単行本は月刊誌「りぼん」に連載されたものをまとめていますが、残念ながら最終回を含めて未収録があります。また、以前テレビコミックスで出版されたものの中には代筆があり、それも収録されていません。

 AKI ベエ所蔵のコミックスは昭和55年に発行されたグランドコミックスで基本的に虫コミックスと同じ構成です。ただ今回はB6ハードカバーの大判になって、カラーページの口絵もついています。この本も今ではレアになっています。

 原題は「魔法使いサニー」でしたが、アニメ化の際に日産自動車が新車の名前をサニーとして登録していたため、商標登録の関係で使用できなかったそうです。そのために「サリー」となったそうで、それに合わせて連載も「魔法使いサリー」に変更になりました。ちなみに原作のサリーのお母さんの名前はシーマ。これも自動車の名前なのでつくづく自動車に因縁があるものだと苦笑してしまいます。

 サリーちゃんはアニメでは魔法の国の王女の設定ですが原作では悪魔の国の帝王の娘です。たしかにあのサリーちゃんのパパのキャラクターはどう見ても悪魔のイメージだと思います。
 ヨシ子ちゃんも登場しますが、アニメと違ってけっこう美少女に描いてあります。アニメのすみれちゃんは原作では「すみちゃん」と呼ばれています。
 有名な「マハリクマハリタ」の呪文はコミックスでは登場せず、アニメだけのオリジナルで、音楽担当の小林亜星が考えた言葉だそうです。



潟\フトガレージ 出版

 これはまんが家生活45周年記念で出版された「まんが集」です。この中に単行本未収録だった「魔術師ジョーの巻」が収録されています。
 この「まんが集」には「コメットさん」も抄録されています。



 2004年4月15日、横山先生が亡くなったとの訃報が流れました。アニメの「アトム」「鉄人」世代としては手塚先生に並んでの大きなショックでした。
 これを機会に氏の埋もれている作品にもスポットが当たることを願います。


追補

このページをアップしてからすぐあとになんと、講談社から完全版として復刻しました。(2004年8月)





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