ジャングル大帝  著者 手塚治虫





手塚治虫ファンクラブ京都会誌 ヒョウタンツギタイムス全5巻

 手塚治虫の初期の代表作です。TVアニメは日本初のカラー作品です。当時、家に白黒テレビしかなかったAKIはお金持ちの女の子の家のカラーテレビで見て大感激しました。

 単行本は何種類も出ているのですが、原稿の大部分が紛失したために何回も書き直しされ、現在発行されている本はオリジナルと大きく違っています。
 ヒョウタンツギタイムスは手塚治虫ファンクラブ京都が発行していた会誌です。このヒョウタンツギタイムスから全5冊で復刻されたものは連載雑誌をそのまま掲載しているのでオリジナルの「ジャングル大帝」が読めます。連載中に2冊発行された単行本作者自身の手直しがかなり入っているため、このヒョウタンツギタイムスはオリジナルのジャングル大帝が読める唯一のもので貴重なものといえます。

 ちなみにAKIは幼少の頃、アニメ化の際に発行された小学館のサンデーコミックス版を買ってもらい読んでいましたが、雑誌タイプだったので捨ててしまって残っていません。






ヒョウタンツギタイムスより

 これは雑誌連載最終回の部分です。カラーページがそのまま再現されています。ムーン山調査隊のメンバーが次々と遭難していくシーンは悲愴感漂い、引き込まれてしまいます。ヒゲオヤジとレオの最後のやり取りは子供心にはショッキングでした。 通して読むとスケールの大きい大河ドラマのような物語ですが、残念ながらアニメは違っていました。原作ではレオはヒゲオヤジを救う為に自らを犠牲にしますが、アニメではレオも生き残ってハッピーエンドになっています。
 近年、制作された劇場映画は原作にほぼ忠実ですが、レオが大人になってからの物語なのは何故でしょう。






講談社 手塚治虫漫画全集 全3巻

 これは講談社の手塚治虫漫画全集の「ジャングル大帝」で、第1巻が全集の記念すべき第1回配本でした。現在出版されている「ジャングル大帝」はすべてこの全集版を踏襲しているようです。
 AKIは昭和52年の全集刊行開始から毎月せっせと購入して全巻400冊を揃えました。モグベエもジャングル大帝は大のお気に入りで初期の版を購入して、その上、第三期完結後にも全300冊まとめて購入してしまいました。AKIベエ宅には漫画全集の「ジャングル大帝」が3セットあることになります。(^◇^;)
 オリジナルと読み比べてみると原稿紛失は前半部分に多いようで現在刊行されているものでも後半は割とオリジナルに近い形になっています。



モグベエ談
 私は小さい頃アニメを見ていましたが、幼すぎて内容は覚えていません。でも中学時代、「ジェッターマルス」をきっかけに手塚ファンになった後、部の後輩から「ジャングル大帝」を借りることができ、じっくりと読んで震えるほどの感動を覚えました。
 主人公が生まれる前から死んだ後までを描くという大河ドラマ的なスケールの大きさ、ライヤが死んでしまったことへのショック、ラスト近くではムーン山に登った隊員が次々に死んでしまい、最後はレオが自分をヒゲおやじの衣服と食糧として差し出すなど驚くようなストーリー展開でした。

 絵的なことでは、アニメの「ジャングル大帝」は子ども、「新ジャングル大帝・進めレオ」では大人だったため描かれなかったレオの青年時代が少しですが登場するのが興味深いです。子ども時代のレオは半ズボンをはいていますが、青年レオはふくらはぎ丈のズボンをはいているのですよ。

 実は上記のコミックスは私が今持っている「手塚治虫漫画全集」ではなく、第一巻が黄色、第二巻が黄緑、第三巻が緑の地色でレオの顔のアップが一本線で描かれている本でした。※

※AKI注
 これは昭和44年に小学館から発行されたゴールデンコミックスだと思われます。「手塚治虫全集」としてシリーズ化していますが50冊くらいで終わっています。





秋田文庫「ジャングル大帝レオ」全1巻

 これは今年(平成15年)に秋田文庫から出た「ジャングル大帝レオ」です。小学二年生版、小学一年生版、あとは手塚治虫全集にも収録された「レオちゃん」などで構成されています。いずれも昭和40年のTVアニメ化の際に手塚治虫自身が宣伝用に描いたものです。
 今回、文庫化されたものは今までは正編の「ジャングル大帝」とミックスしていて本の形で見ることの出来なかった原稿を学年誌連載のまま収録したものです。
 これを読むと現在の正編といわれるものは、漫画少年版「ジャングル大帝」の原稿が紛失したため、紛失部分を新たに描かれた原稿で補充しているのが分かります。その際にはぶかれたエピソードも多く、もともとのリメイクされた「ジャングル大帝」が読めるのがうれしいです。





「鉄腕アトムクラブ」連載版 絵:中城健太郎

 最後に放送当時に「鉄腕アトムクラブ」に連載された「ジャングル大帝」を紹介します。
「鉄腕アトムクラブ」とは虫プロ友の会の機関誌で、A5版の月刊誌でした。のちの漫画雑誌「COM」の前身としても有名です。
 アニメと同じ脚本を使い、同じサブタイトルで連載されました。絵は中城健太郎が担当しています。
 画像はバンダイミュージックから1999年に発売された「ジャングル大帝 1965-1966TVオリジナル・サウンド・トラック」というCD4枚組BOX(すでに廃盤)のブックレットからです。
 この中で連載分3話が完全復刻されています。今後は単行本でも収録されることはないと思われ、この漫画が読めるだけでも貴重です。また、CDには多くのBGM、歌曲がデジタルマスタリングステレオで収録されていて音源としても貴重なものです。


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