ピクニック、雨(樹村みのり初期短編集)

樹村みのり




昭和54年

AKIが個人的に好きな作家です。意識した頃にはすでに少女コミック、ミミなどに少々哲学的で難しい話を描いていた頃でした。絵はレディス寄りでとっつきにくいかもしれません。

 当時は、「ポケットの中の季節」「星に住む人びと」「カッコーの娘たち」「海辺のカイン」などほとんどのコミックスを購入しました。

 その好きな作家の初期短編集ということで購入したものがこの2点。「雨」のほうが発行が早く昭和52年で、「ピクニック」が54年です。しかし「ピクニック」にはデビュー作の表題作が収録されていて、こちらの方に発表年が古いものが収録されています。

 驚くのはデビューの年齢が14歳で、あとがきにもありますが、中学2年の夏休みに書き上げたそうです。今では新人の低年齢化は珍しくないのでしょうか?
 絵は現在から見るとやはり稚拙ですが、内容は深刻で、さまざまな差別問題や戦争への批判を取り上げるなど、14歳という年齢を考えると早熟です。また、これらの作品を「りぼん」という低年齢層を対象にした雑誌に掲載できたことも驚きです。

 作者は現在、寡筆とのことですが、再認識してほしい作家です。






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